週刊アマゾンニュース
vol.030
【1】 誰もやりたくない?またもFUNAI新総裁就任
【2】 ジャングル小学校
【3】 衰退するガリンポ
【4】 アマゾンで蘭の希少種発見
【5】 アマゾンの植物のことならお任せ
【6】 インディオの憂鬱
【1】 誰もやりたくないFUNAI総裁 20/may Brasilia連邦政府のなかで色々な意味で最も問題の多い機関と言われるFUNAI(インディオ保護基金)の新総裁にグレニオ・ダ・コスタ・アルバレス氏が就任した。彼はFUNAIで14年の実績があり、以前リオグランデドスル州で所長として活躍して以来、優れた経営者として評判が高い人物。91年のヤノマミ族の保護区境界画定の責任者でもある。 アルバレス氏は、フェルナンド・エンリケ大統領政権で実に7人目のFUNAI総裁となる。特に「ブラジル発見500周年」記念式典時の軍警の暴挙に抗議してカルロス・マレー総裁が辞任して以来、FUNAIとインディオ達の間には緊張状態が続いており、マレー氏の後暫定的に就任したアントニオ・アナスタジア氏(法務省事務局長)は、就任数時間後にFUNAIの駐車場で弓と吹き矢で武装したシャバンテ族に迎えられ、その直後に辞任、その後暫定的に就任したロッキ・ラライア氏も、先週カヤポ族がFUNAI本部を占拠した後、逃げるように辞任している。世界でも大きな話題となっているブラジル先住民問題を扱うFUNAI。時代の流れや内外の圧力もあり、FUNAIを率いる新総裁に、過去に鳴らした優れた経営手腕と海千山千の経験に期待がかけられている。
【2】 ジャングル小学校 16/MAY, Belemベレン市郊外イコアラシー地区オウテイロ島に1996年開校したこの全日制市立小学校は、その名もエスコーラ・ボスキ(Escola Bosque = ジャングルスクール)。面積12ヘクタール(奥行き60m、全長2km)で生徒数約2600名。学校敷地全体が原生林のなかに位置し、そのメリットを生かして通常の授業のほかに敷地内で捕獲する動物・昆虫に関する授業(捕獲、識別から標本作りまで)、薬草に関する授業(実際に薬草を栽培している)等の環境教育に力を入れている。敷地内には330名収容の講堂、48名収容の宿泊施設も備えられている。昨年度イギリスからの小学生が1週間滞在し、交流プログラムを実施しているが、今後も外国の小学校との交流プログラムを推進していきたいと意気込んでいる。同地区周辺は、かつてアマゾン地域を広く探検した博物学者ウォーレスが標本採集のために訪れた地とされ、こんな環境で勉強できる子供達のことがちょっぴり羨ましくなる。ジャングルを走り回る子供達の笑顔は勿論輝きまくっている。
【3】 衰退するガリンポ 15/MAY, Ararasかつてゴールドラッシュに沸いたアマゾン河支流、マデイラ河に面した町アラーラス(ロンドニア州)では、かつての金堀人夫の夢は費えたかのようだ。全盛期には5700台を数えた浚渫機もいまは20台にも満たない。金の夢を捨てきれない金堀人夫、ウズメニオ・テレスさん(37)は言う。「全盛期の頃は競争も激しかった。毎日のように人夫の体が河に流されていた。いつもどこかで諍いがあったんだね。死んでいるのか生きているのか分からないけど、だれも助けようともしなかった。いまは落ち着いたもんさ。この地を見放された土地なんていう奴もいるが、まだまだ何とか食っていけるよ」 テレスさんの金堀による収入は月約600レアル(約36000円)だが、「何の文化も無いこの地にいると、もう他の仕事をしようと思っても潰しがきかねえんだ」
一方、かつての金をしっかりモノに代えて第二の人生を歩んでいるもと金堀人夫もいる。ロンドニア州都、ポルトベーリョから100キロの街、ジャスィ・パラナに住むサンドバル・アモリン氏は当時掘った金を売って、軽食堂とタクシーを買った。「あのころが懐かしい。出来ることなら戻りたいくらいだ。金掘りってのはそれくらい魅力的なんだ」
【4】 アマゾンで蘭の希少種発見 20/MAY , Urucu蘭の希少種がマナウスから600キロのウルク市のジャングルで見つかった。発見者の研究者ジョアン・バチスタ氏は以前は河口の街ベレンにあるエミリオゲルジ博物館の研究員で、過去に数種類の植物の新種を発見している。今回発見されたのは、
1) Zygosepalum lindeniae
2) Acacalis oliveriana(ラベンダーブルー)
3) Brasavola fasciultata(白)
の3種で、1は1890年にベネズエラで発見された後、ブラジルでは見つかっていなかった。2は1930年にブラジルで見つかって以来始めて。3は1955年にドイツ人によって発見されて以来。以上3種はいずれもまだ未分類のものだが、バチスタ氏によると、商業的な価値はそれほど高くは無いというが「この先誰かに採られてしまうことも無いだろうから、そういう意味ではかえって良かったと思う。それにここはなかなかアクセスしづらい場所だから、全てが手付かずで保存されているのもメリットなんだ」という。この希少種が発見されたウルクは石油会社大手ペトロブラスの持つ蘭園があり、74種類の蘭がある。この他パラー州のカラジャスにはバーレ・ド・リオ・ドーセ社が蘭園を所有しており、ここには115種類の蘭がある。ちなみにアマゾン地区には、分類されているものだけで約700種類の蘭が存在する。
【5】 アマゾンの植物のことならお任せ 20/MAY, BelemEMBRAPA(ブラジル農業技術研究院)、西部アマゾン支所は1945年創設の植物研究所(IAN−InstitutoAgronomico do Norte)を有し、16万5千の植物標本、6千5百種の木材標本、5千枚の映像書庫、1千4百種のかび標本等、アマゾンの植物に関する莫大な資料を所蔵しているほか、植物の識別や、他機関によるプロジェクトに必要な標本の提供等に便宜供与をするカスタマーサービス、内外の研究機関との交流事業等を行っている。
同研究所所蔵の写真の一部が下記で見られます
http://www.cpatu.embrapa.br/botanica/exposicao_virtual.htm
【6】 インディオの憂鬱 18/MAY, Brasilia昨日首都ブラジリアで行われた下院議員とインディオのリーダー達のあいだで、インディオ法改正に関する討論会が行われた。この席で、あるインディオNGO代表者のServino氏の発言に反発した3名のカヤポ族インディオが弓と吹き矢で武装し、その代表者を取り囲みシャツを引き破る等した。NGO代表者は彼らと同じカヤポ族インディオだった。彼らが過敏に反応したのは、ある改正案に代表者が賛同した点で、その改正案とは、インディオの独立を促す趣旨のものだった。カヤポ族は、この法案改正がFUNAI(インディオ保護基金)廃止につながるものと理解し、同志であるにも関わらずその考えに賛同したServino氏に制裁を与えようとしたと思われる。先住民を屈服させ、時代の流れとともに共存の道を探る政府側、土地を奪われ、自らの文化と生
活を守ろうとしながらも最早政府の保護無しには生きられなくなりつつあるインディオたち。この問題の根深さの片鱗が覗く出来事と言える。