週刊アマゾンニュース

vol.031

 

【1】 日系企業をゆすった環境保護ヤクザ、御用

【2】 とうとう衝突、木材業者とインディオ



【1】 日系企業をゆすった環境保護ヤクザ、御用 25/may Brasilia

昨日午後4時、連邦警察は、ブラジリアの空港で50万レアル(約2800万円)の賄賂の受け取りに現れたパウロ・カステロ・ブランコ(IBAMA −国立天然再生資源院− 元パラー州最高責任者、現緑の党パラー支部長)を収賄の現行犯で逮捕した。これは連邦警察、連邦検察庁、エイダイ木材(日系木材業者)の3者が共同で仕組んだ捕り物劇(おとり捜査)だった。

ことの発端には昨年12月に起きたある事件がある。

−無許可木材やらせ(?)摘発事件−
99年12月8日エイダイ木材ベレン本社敷地内で無許可原木が摘発された。これは植林事業を積極的に進める誠実な合板メーカーとして有名な日系企業エイダイ木材のイメージを覆すスキャンダルとして当時注目を集めた。が、関係者の証言を集めると次のような不審な点が次々と明らかになった。

その日同社は連休中でわずかの休日出勤の社員以外社内には人はおらず、操業も全面ストップ中。原木搬入許可を持っている業者は敷地内で翌日まで待機することを許されたが、そこに一台の無許可のトラックが守衛のお情けで潜り込んだ。普段エイダイ産業と取引が無かった会社だったというが、そのトラックには無許可の原木に塗られる特殊な塗料付きの原木が積載されていた。トラックが敷地に入った直後、突然見計らったように抜き打ち調査に訪れたIBAMA、グリーンピース、連邦警察はエイダイ木材を摘発。

しかし休日に、しかも見計らったようになされた抜き打ち調査の出来すぎたタイミングと言い、意図的に持ち込まれた無許可原木と言い(調査の結果分かったのだが、問題のトラックは既に数日前に違法木材運搬の罪で摘発されており、エイダイ敷地内へ入る数時間前、付近のガソリンスタンドで何者かが木材に無許可原木識別塗料をスプレーしている現場が目撃されている)、「やらせ」としか考えようのない事件だった。ちなみに当時のテレビ、新聞等のマスコミはこの事件を鵜呑みにし、スキャンダラスに報道した。

当時のIBAMAパラー州最高責任者カステロブランコは、こうしてマスコミや世論を味方につけ、徐々にエイダイ木材の首を締め上げ追い詰めつつ、同時に同社への「ゆすり」を行っていた。大小さまざまな環境法違反を理由に、同社のライセンスを取り消すことを匂わせ、それを取り消す見返りに300万レアル(1億7千万円)を要求していたという。このときの交渉の会話はテープに録音され、弁護士によって検察庁に持ち込まれた。

カステロブランコはその後何を思ったか、「IBAMAパラー州事務所にはびこる汚職」を告発して4月半ばにIBAMAを休職、連邦政府に徹底調査を依頼、3週間前から連邦から派遣されたIBAMA理事が内部調査にあたっていた。この時点では、カステロ氏は汚職を内部告発したヒーローでさえあった。

二つの顔を使い分けるカステロはエイダイをゆする際、背後に環境大臣という黒幕の存在を匂わせ、「昨年来エイダイ木材への摘発を特別に厳しくしたのは、環境問題に関する内外の圧力を分散させるためのスケープゴートとして、国内合板生産のトップであるエイダイ木材を選んだ結果だ」と語ったと言われている。また(カステロの談によると)今回の収賄事件の黒幕でもある連邦環境大臣サルネイ・フィーリョ氏は「我々は騙された。マスコミも踊らされていた。泥棒は牢屋がお似合いだ」とあっけなくカステロを切り捨てた。

今回の捕り物劇を境に、今までカステロに踊らされていたことに気付いたマスコミは論調を一変させた。地元地方紙は勿論全国区のテレビニュースでも連日トップでカステロ逮捕を報道している。またエイダイの1200名の従業員の代表ワルデノール氏は「これで誰が正しいか明らかになった。我々はグリーンピースの無責任な行動のせいで職を失うところだった。ヒステリックに木材業者を眼の敵にするグリーンピースを我々は許さない」と気炎をあげている。同社弁護士のコヤマ氏によれば「エイダイ木材は年商約3千万ドルで、27年間業界のトップ。だからこそグリーンピースの標的になったのだと思う。メディアへのインパクトは標的が大きいほど効果的だからね」 でっち上げ摘発に加担した疑いが持たれるグリーンピースは現在アマゾン森林保護キャンペーン中だが「我々は騙されていたかもしれないが、木材業者の80%が違法操業していることに変わりは無い。IBAMAは汚職追跡の手を緩めるべきでは無い」との
コメントを残しているが、戸惑いの色は隠せない。

カステロブランコは、不法木材業者による国有地不正登記プロセスへの関与の疑いも持たれており、現在連邦土地査問委員会で取り調べを受けている。

環境保護という美しい大義名分だけを絶対のものとして実際に生活する人々の日々の生活を考えない一部の環境関連機関、また内外で高まる環境保護熱を背景に、そこで生活する人々の頭越しに私腹を肥やす環境ヤクザたちの存在が浮き彫りになった今回の一連の出来事は、アマゾンの環境問題の論じ方に一石を投じることになるかもしれない。




【2】 とうとう衝突 インディオと木材業者 23/may, Cuiaba

昨日、マットグロッソ州北部のコモドロ市(クイアバから560キロ)でインディオと木材業者に雇われた武装集団が衝突、ナンビクアラ族のインディオ、ジョルジ・ハハインテス氏(18)が銃弾を受け死亡したほか、15名のインディオが負傷した。武装集団には一人のけが人も無く、何故か逮捕者も出ていない。FUNAI(インディオ保護基金)地方事務所長のアリオヴァルド・サントス氏によると「インディオは木材業者に保護区内の木を売るようにそそのかされて売ったものの、代金を一銭も支払わない業者に対して抗議していたところだった」。この242ヘクタールのインディオ保護区内には5部族550名のインディオが住むが、これまでにも同地の金やダイヤを狙う1万人のガリンペイロが侵入し、非合法に街を形成していたことがあった。ガリンペイロは3年前に軍警によって強制退去させられている。


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