週刊アマゾンニュース

vol.041

 

【1】 コカインの町

【2】 尊厳を回復させる教育

【3】 これぞ最先端の投資

 

 

【1】 コカインの町 02/NOV, Tabatinga

マナウスから西へ約1100キロ、コロンビア・ペルーとの国境に近いタバチンガは人口3万5千人の一見平和なアマゾンの田舎町。でも実は、その住民の少なくとも40%が何らかの形でドラッグ密輸密売に絡んでいると言われる物騒な町だ。漁業以外に取り立てて産業の無いこの町で手っ取り早く収入を得るためにはドラック商売が一番というわけで、現に1キロの魚が1レアル(約50円)で取り引きされるこの町で、最低2500レアル(約13万円)もするオートバイが6000台以上も登録されているのは、アンダーグラウンドな収入の糧が存在することを示している。何トン、何十トンというコカインが無法に通り抜けるこの町では警察も無力。町では毎晩のようにいざこざが起き、町の中心部では今年になって約30人が殺されている。住民の20%以上は不法入国のペルー・コロンビア人。この町の住人は、ブラジル連邦警察のコブラ作戦(コカイン流入撲滅作戦)で効果が上がるとは夢にも思っていない。

 

【2】  尊厳を回復させる教育 01/NOV, S.Gabriel Cachoeira

ネグロ河沿いのインディオ、バニウアークリパコ族、トゥイウカ族の学校で教えられる内容は全てハクジンと交渉・討議するための素地を作るための内容になっていると言える。インディオ部落におけるこのような教育はネグロ河流域インディオ組織連合(FOIRN)の推進する新しい教育プロジェクトとして成功を収めている。これらの学校では校長なるものは存在せず、生徒と教師がともに授業の運営に責任を持つのみならず、学校で出されるおやつ(公立学校で義務となっている)を作るのも自分達だ。授業のテキストは彼らの文化に基づいた内容で構成され、歴史、地理、環境等を多言語(部族の言葉、ポルトガル語)で学ぶ。トゥイウカ族の教師イジノ・ピメンテル氏は「我々はトゥイウカの歴史や環境、地理を我々の村の生活に即して教えている。自分たちの文化を学び始めるまでは、我々は自分達の文化に価値を見出せなかった。」と以前を振り返る。「今は違う。若い世代が、自分達の暮らしを、独自の言語と文化に裏づけされた、価値を持ち尊重されるべき一つの文明だと意識するようになった」と感動を隠さない。彼らの価値観は以前の「ハクジンの文明へ同化」しようとする旧弊から一歩抜け出した。

 

【3】 これぞ最先端の投資 03/NOV, NOVO ARIPUANA

ハウル・アレンカール氏(70)は今年、マナウスから約200キロ離れたノーボ・アリプアナン市で5000本のパウ・デ・ローザ(ユリノキ)の苗木を植えた。この木は香料の原料になり、エッセンス1キロが約30ドルで取り引きされている。シャネルの5番にも使われているこのリナロルというエキス、フランス人に言わせると「売れ残ることの絶対に無い」商品だそうだ。彼は近いうちに10万本の苗木を植えることにしており、そのための苗を自前で育てている。ただしこのユリノキ、エキスを抽出できるようになるまでに10〜12年かかる。そう、これはハウル氏自身のためで無く、彼の最愛の息子レナン君(5歳)のための投資なのだ。ハウル氏はまた、ユリノキのエッセンス抽出の最新技術を持つ技術者をサンパウロから雇いいれた。これがハウル氏のさらなる一歩だ。これまでリナロルの抽出は、木を伐採し裁断した上で蒸留されていたが、最新技術によって、木を伐採せずに枝葉からリナロルを抽出する方法が確立された。これまでの40年、リナロルはユリノキの伐採によってのみ抽出されてきており、約200万本が伐採されたといわれる。

 

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