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                   Vol.106 
発行日:2003年12月22日 
今週のニュースは...

【1】浩さんのアマゾンスケッチ第6段『一握りの元日本人
【2】ベレン日記

【1】浩さんのアマゾンスケッチ第6段

【一握りの元日本人】

 汎アマゾニア日伯協会創立45周年を記念して第15回日本週間が開かれ、最終日0920(土)の神内講堂での盆踊りや正面入り口での日本食祭りは、推測2千人の参加者と言われ大変な人出で賑やかだった。

 櫓大鼓を囲んでの盆踊りは圧巻で、人の輪は二重いや三重にも広がった。また、11/09(日)シダーデノーバ厚生ホームでの、第8回厚生ホームバザーと第34回北伯相撲選手権大会も、たくさんの参加者で会場はいっぱいになった。

 1929(昭和4)年921日、アカラ植民地に第一回アマゾン日本人移民が入植してから、74年の歳月が流れた。そして昭和271952)年に再開された戦後移住も50年を迎えた。更に、1958年に創立された汎アマゾニア日伯協会も45年周年式典を祝った。

 この時の流れの中に、日系社会は確実に次の世代に引き継がれている。一世から二・三世、四世へと時代は移りつつある。年を経るごとに日本国籍保持者は少なくなっていく。催しものなどの参加者の国籍を考えるとき、日本人移住の移り変わりを克明に刻んだ事象を感じ取ることができる。三・四世の時代へと時は流れているのだ。だが、日本に働きに行ったらブラジル人と呼ばれ、ブラジルに帰ってきたら日本人と言われる。その現実の狭間で二・三世達は、それぞれのアイデンテイテイ−を見つけ出さなければならない。われわれの子孫が各自のル−ツをしっかり認識し、日本文化を背景にブラジルの国づくりに参加しながら、ブラジル人としての役割を果たして欲しいと願う。

 【日本人ではあるが、さりとて日本の日本人とはまた少し違う。ブラジル人とは全く異質で、二世とまた異なる文化や思想を持ち、時の流れの中でその都度、棄民、移民、移住者と呼び名も変わり、同じ国籍をもちながらある種の差別をうけつつも、ブラジル社会に黙々と生きてきた一世たちのことを<元日本人>と言うそうだ。】この、元日本人に残された課題。<ブラジル人として失ってはならないもの、それは日本文化との深い絆である。>との理想を如何に、またどのような方法で子孫に伝え、残していけるか真剣に考え努力することでもあろうか。『日本文化を残すことは、その精神を残すことであり次の世代に<民族の誇り>として引き継ぐことが出来れば、最高の喜びにもなろう。』

 日本人であることを禁じられたこともあった戦前の一世、昭和二桁の十代後半が戦後最後の移住者、元日本人の年齢層は幅広く、一握りの存在になってしまったが、まだやるべき仕事はたくさんある。バラエティ−に富んだ元日本人の知恵を集めたら、すばらしい遺産を子孫に残せそうだ。頑張ろう!
【2】ベレン日記

日系人の方とお話ししていた時に、彼の話した言葉がとても印象的に私の中に残っている。「私は日本人だけれでも、日本よりもブラジルで過ごしている時間の方が長い。だから、やはりブラジル人だ。私が日本に出稼ぎに行ったときに、私はブラジル人なのだなということを感じた。だから、今日本に住んでいる私の娘にも無理に日本人になろうとしなくていいと言っている。」その話を聞いた時、この短い言葉では表せない、それまでのこの方が歩んできた道に少し触れることができたような気がした。そしてそれと同時に、決して私には想像のつかない思いを巡ってこの結論に至ったのだろうに、それを感じさせないその姿にまたすごさを感じた。日本とブラジルという狭間で生き抜いてきた彼らだからこそ、その言葉に重みがあるのだろう。そして、彼らと話していて感じるのは、彼らはもう日本からブラジルを見ているのではなく、ブラジルから日本を見ているということだ。

ブラジルにきて、日系人同士の絆の深さをとても感じた。私たちが想像つかないくらい苦労してきた一世たち。日本で過ごした時間より、ブラジルで過ごした時間の方が長くなった今、それでも日本が恋しいと思う気持ちはなんだろうか。故郷とは一体何だろうか。故郷の大きさを強く感じた。日本人であるという血がだんだんと薄れていく中で、1世の思いはどこにいくのだろうか。2世以降の人たちはブラジルで生まれ、ブラジルで育っている人が多い。彼たちにとって、日本はどういうふうに映っているのだろうか。自分は日本人だという意識を持っているのか、ブラジル人だという意識を持っているのか。それとも、人種という範囲を越えているのだろうか。私の2世の友達は、私のこの質問に対して「ブラジルから見て日本を尊敬している。」と答えてくれた。あぁそうか。そんなふうに日本のことを思ってくれているのかと私はとてもうれしくなった。そして私たちにとっても、多くの日系人たちが作り上げてきた日系社会は誇りであるのだ。時代は流れていくが、こういった思いを忘れないでいたい。                                          12月22日 清井智子

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